ウィーン・フィル舞踏会

華やかなウィーン・フィル舞踏会

コンサートホールが舞踏会の会場となります

年に一度、ウィーン楽友協会の由緒ある「黄金のホール」はエレガントな舞踏会の会場に姿を変え、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団舞踏会の息を呑むほど美しい舞台となります。数十年にわたり、ウィーンの舞踏会シーズンのハイライトの一つとなっている催し物です。

ウィーン楽友協会の壮麗な建物は、ウィーン・フィルの本拠地であるだけでなく、舞踏会の会場でもあるのです。毎年、オーストリア大統領が名誉パトロンとなり、政府のメンバーおよびウィーン・フィルの両拠点となっているウィーンとザルツブルクの州政府首相および市長が名誉委員会に名を連ねています。

荘重なオープニングセレモニー

舞踏会の最初のハイライトは、「黄金のホール」での荘重なオープニングセレモニーです。無数の花や緑で飾られた華麗なホールがこの舞台を華々しく演出します。リヒャルト・シュトラウスは、最初の舞踏会のために《祝祭ファンファーレ》を作曲しました。以後、舞踏会のオープニングでは、決まってこの曲が演奏されています。ウィーン・フィルの金管奏者がバルコニーから、このファンファーレとゴットフリート・フォン・フライベルク作曲の《アウスゼー・ファンファーレ》を演奏すると、来賓が入場します。各舞踏会の「名誉指揮者」が大抵は極めて長い列となる一団を先導します。来賓が皆、壇上に着席すると、「名誉指揮者」がウィーン・フィルとともに「とても素晴らしい音楽のご挨拶」を最高の演奏で披露します。

コンサートとは異なり、ウィーン・フィルのメンバーは、ホールの中央に座らなければなりません。壇上は、後援者や名誉委員会、各界を代表する大勢の方々、とりわけウィーン・フィルに関係する音楽家、音楽愛好家そしてスポンサーに譲ります。

デビュタント

毎年、新たに選出されたデビュタントの一団がオープニングの主役を飾ります。純白のドレスに身を包んだ17歳以上の女性、黒色の燕尾服を身に着けた18歳以上の男性がすでに伝統となっているショパンやツィーラーのポロネーズの音楽とともに入場し、快い音楽に合わせて踊ります。

振り付け及び稽古は、ダンス学校エルマイヤーが担当しています。振付師は、深夜と早朝2時の聴衆のカドリユの指導も担当します。振付師はまた、長く続くオープニングセレモニーにおいて、この短い言葉を発します:「全員でワルツを!」(„Alles Walzer!“)この短い言葉が発せられるや否や、デビュタントの一団のペアがウィーンの様式に倣って「左回り」で踊り始め、聴衆は拍手喝采を送ります。

最初のワルツが終わるとすぐに、デビュタントのペアはその他の舞踏会来場者と合流し、踊る喜びを分かち合い、煌びやかな雰囲気と豪華絢爛な舞踏会の夜の陽気な熱狂に酔いしれます。

「黄金のホール」での舞踏会

世界で最も優れた美しいコンサートホールの一つに数えられる「黄金のホール」がウィーン・フィル舞踏会の中心となります。この長い夜は、「黄金のホール」はすっかり舞踏会の会場に姿を変えるのです。大編成の舞踏会のオーケストラは、主にウィーンのワルツ(「ウィンナ・ワルツ」)を演奏し、ビッグバンドが現代のポピュラーなダンスミュージックを演奏します。長年に亘り、オーケストラはヘルムート・シュトイブルの指揮で演奏しています。ジェームス・ラスト、マックス・グレガー、ヒューゴ・シュトラッサー、アンブロス・シーロス、パサディナ・ルーフ・オーケストラをはじめとする数々の国際的な楽団が熱いリズムを奏でて、舞踏会の会場を盛り上げてきました。

ウィーン楽友協会を挙げての催し物

世界的に著名な音楽家が通年公演を行なっている、楽友協会に多数ある小さなホールや部屋で踊りから離れて休憩し、歓談することができます。様々なビュッフェやバーが軽食を提供しています。「メタルのホール」(Metallener Saal)では、情緒溢れるウィーンの「ホイリゲ」がホイリゲ音楽を奏でて、ディスコのような憩いの場に誘います。22時30分からは「ガラスのホール」(Gläserner Saal)の音楽ラウンジが多彩な音楽プログラムでお迎えします。ウィーンの帝室御用達菓子店「ゲルストナー」が食事を提供しています。

ウィーン・フィル舞踏会

写真ギャラリー

年に一度、ウィーン楽友協会はウィーンで最も美しい舞踏会の会場へと姿を変えます。