2024年2月9日

小澤征爾氏の訃報に寄せて


© Wiener Philharmoniker / Benedikt Dinkhauser

ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団は、当楽団の名誉団員であり、現代の偉大な指揮者の一人である小澤征爾氏の訃報に接し、心よりお悔やみ申し上げます。

小澤征爾氏との数々の演奏会やオペラ公演、とりわけ日本公演での共演を心からの感謝と愛情とともに振り返ります。

小澤征爾氏との共演は、1966年のザルツブルク音楽祭で始まりました。50年以上にわたり、バロック音楽にはじまり、ウィーン古典派・ロマン派、さらに現代音楽までを網羅するレパートリーを拡充し、同時代を生きる作曲家の作品の初演や演奏会も行いました。特別なハイライトを飾ったのは、2002年のウィーン楽友協会黄金のホールでのニューイヤーコンサートでした。2010年には、当楽団との緊密な芸術上の繋がり、親交の証として、名誉団員の称号が授与されました。2021年秋の日本公演のための来日時に最後の共演を果たし、小澤征爾氏はモーツァルトのディヴェルティメント KV 136の緩徐楽章を指揮しました。

ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団楽団長のダニエル・フロシャウアーの弔辞:「小澤征爾氏と数々の芸術上のハイライトを共にできたことは、私たちの喜びです。最高峰の音楽性、音楽文化の宝物への畏敬の念、同僚との心の籠もった交流、聴衆にも感受されたカリスマを備えた、この芸術家と長年を共に歩めたことは、大きな贈り物でした。彼は、ウィーン・フィルとともに、偉大なる芸術上のレガシーを後世に残しました。友人、そして音楽上のパートナーとして、小澤征爾氏のご冥福を心よりお祈り申し上げます。ご家族の皆様の悲しみをお察し申し上げますとともに、心よりお悔やみ申し上げます。」